青い空の場所

自分の体温で丁度いい温度になっている布団の中で目を開け、まどろむ。

目に浮かぶのは、あの人の顔。

あの人に逢いたくて布団から出る。

鏡の前に立って、ペタンコになっている髪を整える。

ブラシをかけて、ワックスを付ける。

髪から自分の顔を見れば、ニヤニヤした顔が映る。

自分の髪じゃなくて、先輩の髪をいじるのが好き。

照れながらいじらせてくれる先輩の顔が好き。

早く逢いたい。

時計を見れば、登校時間がすぐに迫っている。

「やべっ」

急いで学校に向かう。

自転車を漕ぎながら学校へ向かう。

                  ※

授業も手に使いな位先輩を意識する。

逢えるのは、昼休み。

昼休みまで後二時間。

一生懸命俺たちに授業をしてくれている先生に視線を向けながら。

                  ※

「せーんぱい」

歩いている先輩の後ろから抱きつく。

抱きつくと言っても勢い良くじゃなくて、静かにするりと。

「いっつも、いっつも…驚くからさ」

苦笑しながら俺の方を向く。

「お昼食べましょー」

先輩の手を取って空き教室へ向かう。

俺達を見て、周りは甘すぎるとか言っている。

そんな事は無いと思うけれども。

「先輩」

繋いでいる手に力を込める。

「んー?」

男としてはサラサラな髪を見つめる。

「先輩俺の事好きー?」

「好きだよ?」

俺の質問に首をかしげて答えた先輩を抱きしめる。

「痛いー」

「ははっ、御免先輩。さぁ、ご飯食べよ」

どうしたの?変なのーと呟く。

先輩の事を思うと胸がいっぱいになる。

自分は、青春しているんだなと思う。

おじさんみたいだ。

この手が何時まで繋げるんだろう。

何時まで髪をいじって居られるだろう。

何時まで好きだと言って、一緒にいられるだろう。

この淡い恋が何時まで続くのだろう。

淡くて、透き通っているこの気持ちは。

狭い教室の中で居られるのも、後一年も無い。

今のこの独特の世界。

気持ちを。

大人になったら大人の関係になってしまう。

今の内、今のうちに

手を伸ばして、言えなくなってしまうだろう言葉をいっぱい言おう。

抱きしめて、抱きしめて。

青い青い春だけど、若いけど。

頑張ってるんだ。

「先輩、大好き」

こんな自分だけど、先輩俺の事好きでいてくれてありがとう。

青い空は僕にとって大切な思い出の一つなんだよ。

あの時の青い空がなくちゃ先輩と逢えなかったんだ。

覚えてる?

僕達の思い出の場所は無くなってしまったけど。

今こうやって居る、俺の記憶の中にある場所。

新しい場所。

ねぇ、先輩…






あとがき
ん?あれ?
最後ヤンデレ風になってまってる。
そして、良く分りません。
すみませんーーーーー!!!
後輩×先輩、べたになってしまってしまう…