ずっと言いたかったんだけどな
お前、
元気すぎる
テンション高い
てか正直うっとうしい
ふざけすぎ
缶蹴りとか
俺ら高校生なんですけど
一人でやってろよ
はぁ、ったくよぉ
お前まじなんなの？
もうすぐ17歳なんだから
そろそろ大人になれよ
･･･いや、そういうことが言いたい訳じゃないんだけど
なんつうの？
こういうことまじ言いにくいな
あー･･･
お前、さ、
七瀬さんの前だと静かすぎんだけど
お前絶対七瀬さんが好きだろ
あからさまなんだよ
気づかないと思ったわけ？
･･･はぁ？思ってた？
馬鹿か
七瀬さんと話すとき目が泳いでる
声、どもりすぎ
なにより、
七瀬さんのこと見過ぎ
こんだけ条件そろってて気づかないとか、ないわ
七瀬さんのこと好き過ぎだろ
･･･あ？「～過ぎ」って言い過ぎ？
癖かな、新しい発見だ、って違う
話しそらすなよ
あーくそっ、
つまり、俺が言いたいのは
お前は馬鹿でうるさくてうざくてうっとおしいけど！
･･･いいやつなんだから、さ
七瀬さんのこと本気で好きみたいだし？
あーなに、コクハクするんだったら
応援してやらなくもないっていうの？
なんつーか、まぁ、そんな感じな訳だ、よ

････ん？なに泣いてんだよ･･･
は、え、マジでなんで泣いてんの？
俺なんか悪いこといった？
悪口だとか思ってる？
アレは、あれだ！
照れ隠しというかなんというか
ダチに向かって恋愛の話しとかはずいからつい出てきただけで
別に本気でお前のこと嫌いとか思ってねーし
お、おい、泣くなよ

ん？
もいっかい言ってみ
････あ？
もっと早く言って欲しかった？
なんでそんないいやつなんだよ？って･･･
いや、俺いいやつじゃないし
はぁ？嫌いになれない？
いや、別に嫌いになろうと頑張らなくてもいいんですけど
てかお前さっきからなんなん？
なんかあった、んですか、そうですか
は、え、告った！？七瀬さんに！？しかも今日？？
うわー俺間抜けじゃん
あ？うん
七瀬さんに好きだって言って？
お友達としか見れない、と
･･･まぁ、お約束だな
で？なんでって、聞いたのかお前！？
勇気あんなぁ
あー七瀬さん好きな人いる、とね
そりゃあ･･･しかたないな
ほう、誰って聞いた
そこで俺は信じられないことを聞いた？
なんだ、人外だったのか？
七瀬さんは実は電波少女だったのか？
っいて！
殴んなくてもいいだろ
はいはい、ちゃんと聞きます聞きますぅ
七瀬さんは申し訳なさそうに俺の顔をちらりとみた、色素の薄い茶色がかった綺麗な髪が彼女の唇へとわずかにかかる----------ってめんどくせえ さっさと言え、さっさと

「･･･お前が好きなんだって、」
「･･･はい？」
「だぁかぁらぁ！！七瀬さんが好きな人はお前なんだって！！！」
「うっそーん」
「嘘じゃねーよ！馬鹿！！」
泣き叫び走りさっていくあいつの背中を呆然と見つめる
え、
俺が悪いの！？


「只野くん、」

控えめな静かな声が後ろから聞こえてきた
この声は、

「七瀬さん･･･」
「ごめんね、ちょっと･･･いい？」

ああ、七瀬さん
その白く細い手に持っているその手紙はなんですか




END